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札幌地方裁判所 昭和50年(わ)161号 判決

一、本店の所在地

札幌市中央区南三条西一三丁目三二〇番地

法人の名称

株式会社草別組

代表者

代表取締役 草別義昭

二、本籍

札幌市中央区南三条西一三丁目三二〇番地

住居

岩内郡岩内町字栄三番地九

会社役員

草別義昭

昭和一二年二月二一日生

右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官柳俊夫出席のうえ審理し、つぎのとおり判決する。

主文

株式会社草別組を罰金四〇〇万円に、被告人草別義昭を懲役五月にそれぞれ処する。

被告人草別義昭に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、札幌市中央区南三条西一三丁目三二〇番地に本店を置き、土木建築工事の請負及び土木建築資材の製造販売等を事業目的とする資本金二、六〇〇万円の株式会社であり、被告人草別義昭は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の専務取締役草別義幸と共謀のうえ、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外若しくは繰延するとともに架空原価を計上して簿外預金を設定するなどの不正な方法によつてその所得を秘匿したうえ

第一  昭和四六年四月一日から同四七年三月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額が四一、六〇一、八三五円であり、これに対する法人税額が一四、四七四、八〇〇円であるにもかかわらず、同四七年五月三一日、同市中央区北七条西二五丁目一番地の所轄札幌西税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一三、九八三、二八〇円であり、これに対する法人税額が四、三二五、二〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて被告会社の右事業年度の正規の法人税額とその申告税額との差額一〇、一四九、六〇〇円を免れ

第二  同四七年四月一日から同四八年三月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額が五五、〇六九、一一四円であり、これに対する法人税額が一九、三七八、八〇〇円であるにもかかわらず、同四八年五月三一日、前記札幌西税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二七、七三一、三二一円であり、これに対する法人税額が九、三三二、一〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて被告会社の右事業年度の正規の法人税額とその申告税額との差額一〇、〇四六、七〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する供述調書

一、被告人の収税官吏に対する各質問てん末書

一、登記官作成の登記簿謄本

一、検察官作成の捜査報告書

一、草別義幸、野田徹子(昭和五〇年八月五日付)の検察官に対する各供述調書

一、草別義幸、野田徹子、安田利蔵、谷本稔、野田寿子、中沢靖夫、橋村功、一ノ渡敏男、草別美佐江、木村美津代、野田えい、岩崎忠男、尾田繁、草別甚蔵、栗谷川守男、石本宏の収税官吏に対する各質問てん末書

一、草別義幸(昭和四九年八月三一日付、同年同月二八日付)、野田恵子、筒井清六作成の上申書

一、収税官吏(松井久治)作成の昭和四九年八月二日付、同年七月一〇日付、同年八月一日付、同年同月四日付、同年四月一日付、昭和五〇年三月六日付各調査事績報告書

一、収税官吏(清水修、藤原昭三、松本修ほか一名、佐々木弘樹ほか二名、白岩松夫)作成の各調査事績報告書

一、山添兼義、西江建設株式会社代表取締役西江作之助、昭和工業株式会社代表取締役稲辺進、株式会社野田組代表取締役野田永述、有限会社半田組代表取締役半田虎男、大北土建工業株式会社代表取締役荒木忠美、長尾建設株式会社代表取締役長尾誠一、横山建設株式会社代表取締役横山喜貞、菊地建設鉱業株式会社代表取締役菊地正男、萩原建設工業株式会社代表取締役萩原一男、有限会社村田組代表取締役村田正之、丸協土建有限会社代表者戸城きみ子作成の各回答書

一、道順陽子(昭和四九年五月七日付)、広瀬道子、山口恭富子、川田恵治、武田隆、一ノ渡敏男、田中邦彦、田中信一作成の各答申書

一、内田俊昭作成の電話聴取書

一、領置してある法人税決議書一綴(昭和五〇年押第七二号の一)、四六年度総勘定元帳一冊(前同押号の二)四七年度総勘定元帳一冊(前同押号の三)、四六年度得意先元帳一冊(前同号の四)、四七年度得意先元帳一冊(前同押号の五)、四八年度得意先元帳一冊(前同押号の六)、手形受払帳一冊(前同押号の七)、手形受払帳一冊(前同押号の八)、四六年度請負工事原価元帳一冊(前同押号の九)、四七年度請負工事原価元帳一冊(前同押号の一〇)、四六年度ブロツク仕込勘定元帳一冊(前同押号の一一)、四七年度ブロツク仕入帳一冊(前同押号の一二)、メモ一枚(四七年三月期の不正経理結果メモ)(前同押号の一三)

判示第一の事実について

一、野田徹子の検察官に対する昭和五〇年三月八日付供述調書

判示第二の事実について

一、収税官吏(松井久治昭和五〇年八月三日付、同年一〇月四日付)、(松本修)作成の各調査事績報告書

(法令の適用)

一、判示所為 被告人草別義昭について各刑法六〇条、法人税法一五九条、(被告会社草別組についてさらに)

同法一六四条(被告人草別義昭について懲役刑選択)

一、併合罪加重 被告人草別義昭について刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(重い判示第一の罪の刑に加重)

一、刑の執行猶予 被告会社草別組について同法四五条、四八条二項、刑法二五条一項

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 田口祐三)

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